マインド

若い人の疑問や困難を無視するな。日本社会に「自浄作用」を

目安時間 6分

既存のルールになじめない子供や若い人。彼らが苦労していること・疑問に思うこと・これは変えたほうが良いという意見を無視してはいけない。
僕はそう思います。

 

大人達は、既にルールに慣れ親しみ、なんの苦労もなく過ごしています。そのルールが時代に合わなくなっても、その中にどっぷり浸かって何十年過ごし、適応し、かつ既得権を手にした大人に、変革ができるわけがありません。

ルールが絶対の社会

永遠に続くルールなどない。それは歴史を見れば明らかです。
時代とともに見直すべきところは見直す。ルールを守りながら、しかし変えるべきところは変える。
そのための手続きもルールに含められているはずです。

 

しかし、この発想は多くの日本人に欠けています。
とにかく「ルールが絶対」であり、まずルールを守ることが一人前の人間の証。

守れば守るほどその集団内では重用される。

その文化により適応できた人間が、その集団で地位を確保します。

具体的に言えば「出世」です。

その出世した人は、誰より適応に心血を注いできた「ルール絶対人間」です。
そういう人が評価する人間、例えば新入社員として求める資質は、もちろん同じくルールを絶対的に守ることができる人間です。

この繰り返しで「変われない日本」が出来上がりました。

数十年前、下手すると百年以上前に作られたルールでも、「それがルールだから」という理由だけで絶対的に守るべき神聖なものになり、変えることがタブーになる。

ルールの不都合に気付き「このルール古いですよ。こういうふうに変えたほうがいい」などと空気を壊すようなことは言えない。

「みんながルールを守っているのに、ワガママを言うな」と批判されるから。

 

こんな集団、こんな社会、生きづらくなって当然です。世界から取り残されて当然です。

 

日本は致命的な欠陥社会

ルールは常に見直し、変えるべきところは変えないといけない。

でも、ルールに浸かった人間には変えられない。そもそも変えるべきところに気付けない。だから若い人の感性を大事にしないといけないのです。若い人が「おかしい」と思うこと、困難に感じることを細かく拾い上げ、検証しないといけない。

でも、子供や若者を常に「未熟で指導されるべき存在」と扱い、「年長者の言うことは絶対」という空気が支配するこの日本では、その若い人が気づいたルールの矛盾点を無視してしまいます。

自浄作用が著しく欠けた、欠陥社会です。

 

日本社会に自浄作用を

ルールでがんじがらめにする今の日本の教育下では、ルールの正当性に疑問を持ち、自ら変えようとする気概のある人間などほとんど育ちようもありません。

ごく少数いたとしても、既存のルールに適応するのに必死で、変革を企てる余力などない。

 

どうにかして「若い人の意見は貴重だ」ということをコンセンサスにできないかなと思います。

そうして今の制度の時代錯誤や不合理な部分を見つけ出し、改善していくこと。
この自浄作用が全くと言って良いほど無いことが、日本人の幸福度がこんなにも低い一員じゃないかと思うのです。

(国連の“幸福度ランキング”で日本は54位。2018年)

 

ルールを守るだけじゃ、何のために生きてるか分からないんですよ。

「ルールを守ることが絶対的価値」とすると、ルールを守れる人間なら自分じゃなくても良いってことになりますし、そこに自分の意思は必要ないですからね。そんなのじゃ生きてる意味が分からない。

ちょっと考えたらわかることですが、今の日本はそうなってますよね。

「自分はこうしたい」という意思で自分の行動を決められる。
それを「自由」と言います。「自由」を奪われた時、人は生きる気力を失うのです。

若者に気概がないとか、草食系とか、「◯◯離れ」とか、そんなの「自由」があれば何でもやりたいんですよ。若者はエネルギーが有り余ってるんですから。

時間的にも経済的にもあらゆる面で「自由」を奪っておいて、がんじがらめにしておいて、消費しろ!結婚しろ!出産しろ!高度成長期と同じように経済を発展させて俺たち高齢者を養え!!ってのはそりゃ無理ってもんでしょ。

 

若い人をもっと重用すべきと思いますよ。ほんとに。

そういえば、若い人はあまり知らないんですが、高度成長期の頃は定年が55才だったんですよね。

今2019年の時点で、定年が65才から70才に引き上げられるなどという話が出ています。まあ確実でしょう。
そのうち75才になり、80才になり、定年制度なんてもの自体がなくなるでしょうね。

55才定年というのは、今から思えば「まだバリバリ働けるのにもったいない」と感じてしまいますが、その時代のほうが社会に活気があったとされていることを思うと、必要な制度だったんじゃないかなと思います。

55才で退場と決まっていれば、引き継ぎも考えれば約30年ほどで世代交代が強制的に行われるということ。

「歴史的には、常にルールを見直す必要がある」などと意識しなくても、人間が交代すれば、自然と旧世代のルールは見直されていくわけです。

 

でも、人類の歴史上初という急速な少子高齢化、それによる労働力不足を補うための、定年延長。

そのぶん、世代交代が遅くなるんです。
だったら世代交代と同じレベルで、つまり一人の人間が別の人間になるくらいのインパクトでルールを見直していく必要が出てくるわけです。

この自浄作用の必要性。

これに気付いているルールメイカーはいるんでしょうか。
いないんだろうなあ。

 

 

コメントフォーム

名前  (必須)

メールアドレス (公開されません) (必須)

コメント

トラックバックURL: 
管理人:ゆうしん

元中小企業の営業マン。
鬱で退職後、不動産投資と転売で稼いだり、また鬱になって休んだり。

中学から不登校だったり、高校中退したり、高認取って大学行ったり。

そんな経験をふまえて情報発信してます。

生きづらさとか。
社会に対する問題意識とか。
なんか楽しいこととか。

カテゴリー
サイト内検索