なぜ働き方改革がこのタイミングだったのか 後編
どうも、ゆうしんです。
の続きです。
「1分でまとめ」は当記事も合わせて前編の最初にありますので、忙しい方はそちらを。
目次
ここまで一向に改革をしなかった理由。労働者はなめられていた
高度成長期からバブル期という40年間に、日本は奇跡的な繁栄を謳歌しました。
給料は上がり、生活はどんどん便利で快適になっていく。
「生きる意味」「働く意味」なんて考えるまでもないほど圧倒的な「見返り」があった時代。
会社を信じてがむしゃらに働いていれば良かった、幸せな時代でした。
でも、今は違います。
もう会社にだけ頼ることはできません。
もはや企業は、僕らの人生を捧げるに足るほどの見返りを用意することができなくなったからです。
それは90年代にはもう明らかになっていました。
経営者の多くはいまだに分かっていないのかもしれませんが、官僚や政治家はとっくに分かっていた。
でも、何も対策を打たなかった。
様々な理由で「打てなかった」のかもしれませんが、どちらにせよ「まだ当面このままでいけるだろう」とタカをくくっていたのです。
「見返りなんて与えなくても、あいつらは反抗などしない」と。
なぜなら
「働くとは、会社に人生を捧げること」
「服従こそが優秀な社会人」
という意識が、日本人の大多数にどっぷりと染み付いているから。
はっきり言えば、なめられていたんですね。
でも残念ながら、それは正しかったんです。
統計を見れば明らかですが、実質賃金も可処分所得も減る一方で、日本の国民は確実に貧しくなっている。
なのにここまで大した問題にもならず、大規模なデモも起きていません。
相変わらずほとんどの善良な日本人は黙々と働き続けています。
むしろ
「不景気の中で仕事があるだけでもありがたい」
「これ以上貧しくなってはたまらん」
と、ますます会社にしがみついて働くようになっています。
これも計算通りなのでしょうね。
問題はとことん先送り!現状維持のための「低賃金」「非正規雇用」シフト
とは言え人口増加がストップした上に、人々の可処分所得が減れば、消費が伸びず景気は低迷します。
本来ならここで、人口増加に頼らず経済成長できるよう、生産性を上げる努力をするのが当然です。
・不要な仕事・部署を減らす。
・ITで効率化を図る。
・無駄な会議をやめる。
・ホワイトカラーは自宅勤務も可能にする。
先進国ではどこでもやっていることですが、日本では一向に改革が進みません。
なぜか?
それは、人が増えないぶん効率を上げるという努力をせず、さらなる低賃金・長時間労働でカバーしてきたからです。
これが「失われた20年」です。
もはや経済大国、先進国であることを放棄したのか? と思えるような、悲惨なグラフですよね。
この惨状は、この20年間社会の実権を握ってきた「団塊の世代」が望んだことなのです。
右肩上がりの時代に青春を過ごし、いま先進国となった日本で、年功序列の恩恵をたっぷりと受けて、我々若年層が一生望めない高い給料をもらい、老後は多額の年金で悠々自適が約束されている。
今さら、どこに改革を進める理由があるのでしょうか。
ニュースとか見てたら、まあ年金も減るだろうし、これから若い人は大変かもしれない。
でも、まあ何とかなるだろう。
大丈夫さ。俺たちが作ったこの先進国・日本なんだから。
物心ついた時から一貫して未来が良くなってきた団塊の世代からすれば、若者が未来を悲観するなんて想像もつかない事態なんです。
(これは、僕の両親と話していてわかりました)
さんざん引っ張って、なぜここでようやく「働き方改革」などと言い出したのか
いろいろ話が脱線しました。
本題に戻すと、かつて人々に深く定着していた
「働くとは、会社に人生を捧げること」
「服従こそが優秀な社会人」
という意識が、なぜここに来て薄れ始めたのか。
なぜ「働き方改革」が、今ようやく“解禁”になったのか。
それは「抵抗勢力」である団塊の世代が一気に定年を迎え、社会から退場したからでしょう。
だから「働き方改革」が可能になった。
それが本当のところじゃないですか。
いわゆる「就職氷河期世代」である僕からすれば「20年遅えよ!!」と怒鳴りつけたい気持ちです。
団塊の世代の既得権を守るために、必要な改革を先延ばしにしてきた。
氷河期世代は、その犠牲になったんですよ。
考えようによっては「これぞ民主主義」と言えるかもしれません。
改革を必要とするのは少数派である我々若年層であって、それを否定したのは団塊の世代という圧倒的な数の「民意」ですから。
後世の歴史家から見れば、ここ20年の日本は「今が良ければいい」というバカの集団が権力を握っていた国と映るでしょうね。
追伸
僕は、半ばもう手遅れだと思っています。
悲観的な結論ですが、だからこそ、です。
国に期待できないからこそ、個人が力をつけないといけない。
そう思って、日々ビジネスに取り組んでいます。
国が衰退しようが関係ないくらい、個人が稼げば良いんです。
というわけで、ゆうしんでした。
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